住宅の地震への耐力向上を

自然災害の地震に対し、建物自体に地震への耐力を持たせる技術も向上している。

 平成12年に制定された品確法では、耐震性を判断する目安として

3段階の耐震等級が表示された。等級1では、数百年に1度発生する地震

(東京では震度6強から震度7程度)に対して倒壊、崩壊せず、数十年に1度

発生する地震(同震度5強程度)に対し、損傷しない程度の目安となっている。

等級2ではこの地震力のさらに1・25倍、等級3は1・5倍の地震に

対抗できるという計算だ。

 また、阪神大震災の被災者は

「建物が倒壊しなくても、揺れによって居室内の家具が倒れたり、火災が発生する

など二次的被害が発生した」と17年前のつらい被災体験を話している。

こうした被害に効果的なのが、振動を吸収する免震装置だ。

建物と地面の間の基礎部分にゴムやダンパーなどを使った装置を取り付けることで、

建物は柳の木がしなるようにゆっくり揺れ、地震エネルギーを吸収する。

 免震装置には実際にどのくらいの効果があるのだろうか。

免震装置を導入した大阪市中央区の超高層マンションでは、阪神大震災レベル(6強)

に対し、建物は震度4~5強程度の揺れに抑えられる計算という。

 住宅に限らず、大阪の歴史と文化を紹介する大阪歴史博物館

(中央区大手前4丁目)や大阪を代表する近代建築の一つ大阪市中央公会堂

(北区中之島1丁目)なども最新の制振・免震構造を導入し、大型地震の対応に備えている。