東日本大震災を教訓に防災科学技術研究所や海洋研究開発機構などが、
海底地震・津波観測網の整備に乗り出しました。
海域に地震計や津波計を設置し、素早く精度の高い津波予測に役立てるそうです。
防災科研は今後も強い揺れや高い津波に襲われる可能性がある
東北地方の太平洋沖の海底で、地震・津波観測網の整備を始めました。
千葉県の房総沖から北海道東方沖まで日本海溝と千島海溝に沿って、
水深8000メートルまでの海底に計154カ所の観測点を設置するそうです。
観測点には地震計と津波計を配備し、地殻の動きや水圧をリアルタイムで計測。
データは海底ケーブルやインターネットで防災科研や気象庁、大学などに素早く送るそうです。
整備は太平洋岸と日本海溝の間の海域を5つに分けて実施。各海域に観測点を25カ所設置。
このほか海溝の軸の外側にも北海道根室沖から房総沖まで50キロメートルごとに観測点を設置。
今年度は房総沖と三陸沖北部の海域にシステムを整備するそうです。
現在ある陸域の観測網に今回の観測網を加えれば、早く検知できるようになり、
日本海溝付近の沖合で発生した地震の地震動を最大20~30分程度、
津波の発生を最大20分程度、早く把握できるそうです。
海洋研究開発機構は和歌山県西方沖での海底地震・津波計網の整備を前倒しで実施。
「地震・津波観測監視システム(DONET2)」で、本格運用開始を従来計画の
2022年春から16年春に前倒ししました。
31地点に地震計と津波計を設置し地殻変動や波の高さ、地震動を常時観測。
和歌山県西方沖で起こると考えられている南海地震の震源域をカバー。
14年春には一部の地震計や津波計を使い、試験運用を始めるそうです。
地震についての対策を各方面で急いでいる様子が伺えます。
もちろん、急ぐには理由があると思います。