マンション火災と建築基準法、消防法について

最近のマンションは、どんどん高層化が進んでおります。

中には60mを超える、超高層マンションというものも少なくないのではないでしょうか?

昨日、お話させて頂いたマンション火災での消火活動、ほとんどの建物であれば下からはしご車が
来て放水している姿をニュース映像等でご覧になった事があるのではないでしょうか?

ここで、ちょっと豆知識。

建築基準法でも消防法上でも、『31m』というのが一つの基準となっています。
高さが31mを超える建物には色々と規制が出てきます。
何故かというと、はしご車のはしごが届く高さから定められているものなのです。
(ただ、最近では、もっと高い位置まで届くはしご車もあるようですが)
はしご車の届く高さであれば、消火活動もしやすいものというように考えられているようですね。
また、14階建て以下のマンションが多いのも特徴です。15階建てってなぜか少ないんです。

それには明確な理由があるんですが、1つ目は15階建て以上になると通常のエレベーター以外に
消防活動に利用する「非常用エレベーター」の設置が義務付けられるということ。
これは、火災が起きた時に、消防隊員が、消火活動に向かう為のエレベーターとなっており
避難に使う目的ではありません。
ですので、ある程度の広さのある、かつ火や煙にも強い構造となっています。

2つ目は先にお伝えした31mというのがポイントになるのですが、マンションって1階あたりの階高が
おおよそ3m前後なんですが、高さが31mを超えると急に法規が厳しくなるんです。
つまりマンションだと10階建てまでは通常法規でOKなんですが、それ以上になると
さまざまな規制がかかるのです。
でもその規制も31mを超える部分が4階までは緩和規定があって、そのために
実質14階建てになるということなんです。

この2つが14階建てマンションが多い大きな理由かと思います。

その次は高さが100mで大きく規制が変わります。およそ30階~33階建てとかが多くなるんです。
この2つの高さは「緊急救助スペース」や「緊急離着陸場」の設置義務が生じるか否かの違いです。
要するに、ヘリポートの設置義務が生じるか否かということです。

都心に見られる100mを超えるような建物には屋上にヘリポートが設置されています。

そのようなマンションにお住まいの方は、万一の事が起こった場合、下に逃げる事ばかりを
考えるのではなく、屋上に避難するという考え方も頭の片隅に置いといて頂いた方がいいかもしれません。

予断ですが、「緊急救助スペース」とは屋上に「R」のマークがあるものでヘリコプターが
着陸こそできないもののホバリング(空中に浮いたまま)で救助を行うことができるスペース
というもので、「緊急離着陸場」とは「H」マークがあるものでヘリコプターが離着陸
できるものということです。
このヘリポートってものすごいコストがかかりますし、また設置する為に様々な制約が生じるので、
建物を建てる方としてはあまり設置したくないと考えてしまいます。。

法律(安全対策)をする為に、どうしても必要な設備等が出てきてしまい、コストにも直接繋がって
来てしまう所です。

本来は、基準法上クリアしていたとしても、安全上、必要な設備とかっていうのはあるはず
なのです。ただ、設計をやっている中では、どうしてもコストという言葉が先走り
法律上必要無ければ、いらないじゃないかという考え方が先行してしまうのも事実です。

わずか1mの高さの違いでヘリポートのあるなし等があったりするのも事実です。

その差で安全性がどれほど変わるのかは疑問が残りますけどね。

本来は、法律だけではなく、もっと多くの諸条件からも判断すべきだと思いますが
なかなか難しい所だと思います。

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